短歌同人誌「反射光」第24号(平成廿三年冬号)が届きました
短歌の同人誌「反射光」第24号(平成廿三年冬)が届きました。
霊峰の裾野につどふ防人の士気揚々と総合火力演習
(富士の演習場で行われた陸上自衛隊「富士総合火力演習」を見学して)
菅過ぎて野田来たれども政界の春の訪れいまだ聞こへず
(くるくると総理の首がとっかえられるが、政界は真冬の暗雲垂れ込めたまま)
誰よりもハンマー遠くへ投げこみてテグの蒼きに日の丸なびく
(精進の賜物。室伏選手、見事の一言で)
いつのまに途絶へし夏の朝の声また聞く声は土に眠れり
(いつの間にか蝉の声が聞こえなくなった。来年の「夏の声」は土の中だろう)
紅の朝な夕なに吹く風はゆるりと夏の幕をひきゆく
(秋の兆しが感じられると、あの夏の猛暑は「一幕の芝居」のごときに)
絵のやうな川瀬の鷺の舞ふそばで吾は露天の湯船にう浮かぶ
(手を伸ばせば獲れそうな川瀬の鷺。川原近い温泉の露天風呂でしばしのくつろぎ)
迫りくる納期はピクとも動かねど時はつるべの落つるがごとく
(納期が迫れど作業は遅遅として進まず、時は無情に過ぎて行く)