■平成23年度富士総合火力演習を見学して
ふとインターネットの自衛隊のサイトを見ているとき、「申し込み受付中」の文字が目に入ったのがきっかけでした。
「平成23年度富士総合火力演習」・・・
富士総合火力演習(以下総火演と呼びます。)は、陸上自衛隊が年1回行う、総合火力の演習を自衛隊幹部や政府要人、そして一般民間人にも披露する催しです。
催しが行われている事は知っていましたが、場所も遠いし、私には現実的なものではありませんでした。
しかも、この催しに参加(見学)するには申し込みをして抽選に当たらなければなりません。
自衛隊のパンフレットによれば、インターネットで8.8倍、はがきで10.9倍の競争率だそうです。
他のブログ等の情報では、駐車場券の付く方は60倍とも言われて居るようです。
しかし、発作的に申し込みをして、申し込みをしたことさえ忘れていましたが、何故か当選はがきが届きました。
こうなれば「行かいでか!」とばかり金策をして、参加する事にしました。
この記事では、個々の装備品等の詳しい説明は省き(と言うかよく知りません)、現地に行かなければ体験できないであろう事を中心に書く事にします。
ピンボケが多い写真ですが、雰囲気を少しでも感じて頂ければ幸いです。
8月28日 午前5時に、前泊していた沼津のホテルにて起床。
5時50分に御殿場線御殿場方面行きのホームで、東京から来て沼津駅周辺に宿泊している筈の相方とホームで合流予定なので、5時40分にホームに行ってみました。
6時1分発の始発電車は既にホームに居て、なんと座席は埋まっていました。・・・
ともあれ、相方とも無事合流して電車に乗り、御殿場駅が近付いた時の車窓からの風景が下の写真です。
間も無く、御殿場駅に到着です。
御殿場駅で降りると、演習場行きのシャトルバス待ちの列が出来ています。
何とか2台目に乗れて発車です。(車内の時計は6時52分と表示しています)
30分ほどで、会場に到着です。
会場に到着すると、隊員さんが沢山案内に立っています。
はがきを見せて、見学席入り口に並びましたが、そこではスタンドには座れないと聞いて、一度、出店の並ぶスタンドの裏側にでて、私達が座れるEスタンドの入り口に並び換えます。
パンフレット(防衛ホームの号外)を貰って入り口を入ると、スタンド席とシート席があります。
座席や会場の図も、その中にあります。
私達はスタンド席に向かいましたが、シート席の一番前列は、とにかく近くで見たい人達で既にいっぱいです。
私達の座ったEスタンド席は、会場に向かって右の端の方ですが、Aスタンド側を見ると、いったいどれだけの人が来るんだろうと思ってしまいます。
ひたすらスタンドで開始を待ちますが、会場では大きなモニターがあったり、戦車や装甲車が移動したり、路面整備が行われたりと、結構暇つぶしが出来ます。
そんなこんなでスタンドに座っていると、あのイラクのサモーアに派遣された陸上自衛隊の「ヒゲの隊長」、佐藤正久参議院議員がスタンド下の通路を通りました。
目ざとく「隊長」を見つけたファン?が写真をねだりますが、「隊長」は快く引き受けていました。
その様子を見ていたほかの観客が、我も我もと集まり、臨時撮影握手会が始まってしまいました。
開始時刻が近付くと、陸上幕僚長、東郷幕僚長、防衛大学校長、防衛大臣等が、次々と入場してきます。
写真は防衛大臣到着時のものです。
私個人としては、この場に、支那に尻尾を振って首相の靖國神社参拝を非難した五百旗頭防衛大学校長や腰抜け防衛大臣(大臣に関しては自民党も同じ)が参列する事だけが、残念でなりません。
演習中、遂に霊峰富士が姿を見せなかったのもきっとその勢です。(八つ当たりですか)
いよいよ、演習開始です。
ひたすら、写真だけ見てください。
思い出したら、少し解説を書いておきます。
ピンボケのF2戦闘機と、着弾模擬爆発の写真です。
下の写真は、連続して撃った弾を、時間差をつけて空中で爆発させる事で、弾道を見せた時のものと、同時に多くの砲から弾を撃ち、同時に爆発させて、富士山の形を描くと言う高度な技術が披露されたものです。
ヘリが着陸できない場所での、ロープをつたっての降下です。
ロケット弾の発射です。
こういう写真は、素人には難しく、偶然発射されたロケット弾のお尻が僅かに写っています。
装甲車等に緑や赤の旗が揚がっているのがお解かり頂けると思いますが、敵味方を示すものではなく、赤旗が次に射撃を行うと言う印です。
また実際の射撃が、観客席からかなり近い場所でも行われる事がお解かり頂けると思います。
迷彩服と言うだけあって、隊員の姿を探すのは一苦労です。
2台同時射撃が綺麗に写っています。まぐれ写真です。
これは、戦闘へりがホバリング(空中停止)状態で、機体下部の機関銃を撃っている所です。よく見ると薬莢がバラバラ落ちているのが分かります。
偵察から攻撃展開への流れ演習の中のひとコマです。ヘリから偵察用オートバイを降ろしています。
攻撃要員がヘリから降りようとしていますが、ヘリはかなりお互いが接近しています。
続いて、軽装甲車がヘリに吊られてやってきます。
さらに、兵員輸送車ごと兵員を積んだヘリが着陸し、お尻から兵員の乗った輸送車が出てきます。
敵の反撃から、味方の兵を援護するために、戦車も発砲します。
実は、この戦車の発砲音が、とにかく物凄く、あちこちで子供が泣き出します。
戦車だけでは無く、ミサイルも援護の為に発射されます。
ピンボケ、ブレと最悪の写真ですが唯一発射の瞬間を捉えていたので貼っておきます。
着弾地に煙が上がります。
さらに、応援の戦車も来て発砲します。発砲の瞬間が偶然写っています。
こちらも同時発砲ですが、かなり観客席の近くなのがお解かり頂けると思います。
こちらの写真は、戦車の発砲中、ホバリングで待機するヘリ部隊ですが、ピクリとも動きません。凄いです。
戦車がいっせいに機関銃を発射しています。
いよいよ、演習も終わりです。
陸、空のまさに分列行進は、壮観です。
素晴らしい体験をしましたが、帰りのバス待ちは、尋常ではありませんでした。
左の写真を撮った位置から乗車するまで、2時間以上かかりました。
ひたすら、行列・・・・・・・
残念なのは、バスが来るのが遅いと隊員に文句を行っている人が居た事です。
隊員の勢じゃないでしょう?
また、観光バスタイプは定員乗車で運行していました。
「自衛隊の演習見学シャトルバスが定員オーバー!」と記事にしたがるマスゴミを嫌っての事かもしれません。
更にバス会社の係員が、道が混んでいるので申し訳ないと謝っているのに「嘘ばっかり言うな!」と罵倒していたオッサンも居ましたが、日本人でしょうか?
実際、駅に近付くと道は渋滞していました。
行ってみないと分からない!と言ってしまえばそれまでですが、やはり実際の演習展示は「迫力!」と一言では片付けられない何かが感じられます。
風景も、音も、臭いも・・・
そして、ついに姿を現してはくれませんでしたが、霊峰富士の裾野の空気!
姿を見せてくれなかったのは、あの防衛大学長や、あの防衛大臣が居たからだと、八つ当たり的感想を持ちました。
震災の被災地からも150名ほど招待されていたそうですが、皆さんが、自衛隊の「本業」を目の当たりにして、災害派遣だけでなく、自衛隊の本業にも感謝してくれるのを願って止みません。
自衛隊が、軍としての本分を発揮し、今でさえ高い技術と士気を持つ兵士達が、さらに誇りを持って任務に当たり、国民が皆それを応援し感謝する・・・・・・
そんな、普通の国に、早く戻さなければならないと、痛感した一日でした。
(トノゴジラ)
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